百年もつ銀塩写真を使用しています

 
ホームページに載せる内容でもないと思っていたのですが、最近写真館でも銀塩写真ではなく「インクジェット」や「サーマルプリンター」を使用するところが増えてきました。
そもそもデータ渡しするカメラマンまでいるので一応書いておこうかと思った次第です。
 
ここからカメラマン原一友の持論です(少々長文ですので読みたい方だけどうぞ)
 
私は写真の使命をこう考えています。
「出来るだけ未来へ映像を届ける事、最低でも人の寿命がある限り映像を残す」ということ。
 
商品は最低百年の信頼性のある物でなければならない、そう考えています。
 
あなたの家には百年前の物はありますか?
百年後のことを考える時に百年前の事を調べると答えが少し出てきます。
今から百年前は1920年代「大正時代」になります。
 
この時代は裕福な家庭に「電気」や「電話」「レコード」が普及し始めた頃です。
写真はモノクロでしたが写真館はすでにあり、家族写真や婚礼写真、戦争へ行く人の写真などが必要でとても賑わっていました。
知っての通りその写真は今でも残っていれば画像はありますし、とても貴重な資料となっています。
 
銀塩写真は長持ちします。
 
いやいや今はデータの方が変化しないし長くもつでしょうと言われる方もいるでしょう。
そのデータ保管はどうします?私はとても悩みます。
 
たとえば今から40年前一生懸命親父が撮っていた8mmフィルムはどうでしょう、今や見られません。
最近に思えるVHSビデオの絶滅、8mmビデオやカセットテープもほぼ絶滅。
デジタル機器などはもっとスピードが速く30年前には主流だったフロッピーディスクやMO等々すでに再生不可能です。
 
私にはCD-RやDVD-Rやメモリーカード類が50年後再生できるとはとても思えないのです。
 
だから銀塩写真を大切にする事は写真館の使命のひとつと考えています。
 
うちには銀塩プリントプリンターがあります。
(はっきり言って値段が高いです借金して買いました、ん千万円(汗)
記念写真だけではなく、写真集、DVD-ROMのケースの写真、ストラップの写真、証明写真まですべて銀塩写真です。
それは、どの写真が最後まで残るかわからないのでそうしています。
 
ここまで銀塩写真を持ち上げてきましたが、銀塩写真にも短所があります。
インクジェットプリンターとの違いを交えてちょっとだけ触れます。
 
まず銀塩写真プリンターの短所、制作時の色が安定しない。
これは銀塩プリンターの仕組みの問題で、印画紙に光をあてて感光、現像液、定着液、水洗、乾燥してます。
印画紙自体製造された日時や保管方法で色が変わるほか、現像液の温度や処理能力で色が微妙に変化します。
もちろんデジタル的に微調節するのでわかるかわからないかという差ですがつねに安定はしません。
液の管理や清掃作業も短所ですね。
出来上がった印画紙自体は銀が紙に定着して安定し百年もつ強いものなのでご安心ください。
 
インクジェットプリンターはインクの色が管理されているのでずっと色は安定しています、それが長所。
物作りしている方からすれば色が安定は絶対条件なので使いやすいと思います。
そしてデジタルカメラと相性もいい。
顔料インクはとても長持ちするインクです、その点は心配ありません。
でも一番の短所はプリントする紙の問題です。
どの紙がどれくらいもつかわからないので、いちかばちかの状態。
当然高い紙の方がもつ確率は高いと思いますが、
高すぎると言って銀塩写真から離れたカメラマンが高価な紙を使うとは思えないのが大問題。
 
私は昔ながらの銀塩写真こそ本物の写真と思っています。
必ず百年もちます。
 
とはいえ時代の流れと共に銀塩写真は姿を消しつつある状況ではあります。
最後まで銀塩写真を使うのはやはり写真館しかないと思うので、わたしもしがみつくつもりでやっていきます。
 


概要

カラーレーザー銀塩写真プリンター
NORITSU QSS-3901G
RGB LD直接変調型レーザーエンジン機

使用ペーパー
FUJIFILM フロンティア QL明室装填用 プロペーパー
 
使用現像液
FUJIFIRLM  カラーペーパー用 CP-46X

 


定休日 火曜日・水曜日(祝日の場合営業していることもあります)
ひとりひとりの想い出づくりを大切にしていますので予約制となっております。
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